遺ラストとは

 遺ラスト(いラスト)はイラストレーター「にぎりこぷし」が運営する、イラストで遺影を制作するサービスです。

写真では表現しきれない「そのひとらしさ」が詰まった遺影を

「遺影」ときいてみなさんはどんなものをイメージしますか。すました顔で黒い服を着て写っている粒子のあらい写真。私の実家にある祖父母の遺影はそんな感じです。

 生前から遺影用の写真を準備するというひとは多くありません。あわただしい葬儀の準備のなかで、あり合わせの写真を引き伸ばし、ときには首から下の部分を黒い衣装に差し替えて間に合わせることが多いのではないでしょうか。

 葬儀に使用するアイテムのひとつと考えるならば、それでもかまわないのかもしれません。しかし可能であるならば、もっと「そのひとらしさ」が詰まった遺影を用意したいですよね、そんな思いがこの「遺ラスト」をはじめるきっかけとなっています。

 生前、写真を撮られるのが好きではなかった、災害で写真を失ってしまった、そういった事情で思うような遺影を用意できなかったという方でも、イラストでなら思い出を蘇らせることができるかもしれません。

ウェルカムボード制作の経験を活かして

 私は2006年から「ウェルカム坊主」という結婚式用のイラスト(似顔絵)ウェルカムボードを制作するサービスを運営しています。

 最近では似顔絵ウェルカムボードを制作するサービスも多くなりましたが、ウェルカム坊主のウェルカムボードは、一般的な似顔絵ウェルカムボードとはややスタンスが異なります。

 

 制作は、新郎・新婦のおふたりから、それぞれの生い立ち、趣味や嗜好、ペットや愛車、そしておふたりのなれそめや、出会ってからの思い出などを事細かに聞き取ることからはじめます。お聞きした内容からイマジネーションを膨らませ、おふたりの魅力を最大限に表現できるよう、テーマを設定したうえで、表情、衣装、ポーズ、背景、演出、小物に至るまで意味をもたせながら描いていきます。

 もちろん、一方的な表現の押しつけにならないよう、アイデアスケッチの段階から何度もご意見を伺い、ご要望を取り入れ修正を加えながら仕上げていきます。こういった作業を繰り返すことで、まるで1枚のイラストをいっしょに描いているような体験をしていただいています。

 最終的に仕上がるウェルカムボードもさることながら、こうしていっしょに制作していく過程もまた、おふたりがこれまでの足跡を振り返り、お互いの存在を再確認する貴重な機会となって、結婚式を華やかに彩ることができるのではないかと期待しています。

生きてるうちに用意したっていいじゃない!? 遺ラストで人生を振り返ってみよう!

 ウェルカム坊主で培った、そのひとらしさを詰め込んで描く手法で遺影イラストを制作すれば、そのひとの明るい思い出がよみがえってくるような「悲しくない」「楽しい」遺影ができるのではないか。そんな思いで、この遺ラストのサービスを立ち上げました。

 もっとも、そのように制作したイラストを葬儀で飾るのはふさわしくないかもしれませんし、そもそも遺影と呼べるのかもわからないですけど……。そんなわけで、遺ラストは葬儀で使用することを積極的に意図して制作はいたしません。

 気持ちが落ち着いた頃に、ご家族で語り合いながら遺ラストを制作すれば、故人にまつわる楽しい思い出を蘇らせご家族で共有するいい機会になるのではないでしょうか。

 また、生前に本人を交えてちょっとした遺言のように制作すれば、ご本人にとって人生を振り返る機会になるでしょうし、ご家族にとってはいままで知ることのなかった一面に触れることができるかもしれません。

 また自分自身で、自分はこういうふうに生きたんだということを確認し、誰かに伝えるために制作するのもいいなと思っています。

 死を意識することは、生きることを意識することと同じだと思います。遺ラストづくりが人生を振り返る、生きることについて考える、そういう機会になればいいなと思います。

ニーズはあるのか!? モニターを募ってみました!

 遺ラストの正式なサービス開始に先立ち、こういったサービスが本当にニーズがあるのか、希望者を募ってモニターとして実際に遺ラストを制作してみることにしました。

 お母様を亡くされた方、ご兄弟を亡くされた方、ご存命のご両親をいっしょに描いてほしい……いろいろな方にご参加いただきました。自ら応募いただいた方たちだからということもあるでしょうが、心配していた精神的な苦痛などもなく、身に余る感謝の言葉をいただきました。

 私自身、遺ラストはちょっと特殊なサービスだなと感じており、けして多くの方に必要とされるものではないだろうと思っています。故人をコミカルに描くということを不謹慎と感じる方もなかにはいらっしゃるだろうと思います。

 しかし、モニターを募り実際に制作をしてみて、必要としてくれる方、喜んでくれる方が少なからずいらっしゃるということも確認できましたので、このサービスを正式に立ち上げることにいたしました。

ふたつのイラストタッチ

 遺ラストでは、お好みやご予算に合わせてイラストを制作できるよう、ふたつのイラストタッチをご用意しております。

 スタンダードタッチは、細かな描写と柔らかな陰影で少しリアルに描きます。愛用の品々なども細部までこだわって描きます。

 また、ライトタッチでは、シンプルな描写とはっきりとした着色で、よりコミカルに描きます。シンプルなぶん料金もリーズナブルに設定しております。

 オーダーメイドでの制作ですので、タッチを細かく調整することも可能です。心から気に入った1枚に仕上がるよう、ご希望を思う存分おきかせください。

お問い合わせフォーム

 遺ラストに関するお問い合わせ、お見積もり、ご依頼は以下の入力フォームに必要事項をご記入いただきお送りください。

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料金

イラスト制作(データ作成)

スタンダード(A3サイズ)26,000円(税込)
ライトタッチ(A3サイズ)18,000円(税込)
ライトタッチ(A4サイズ)16,000円(税込)

※原則として、おひとりを描く料金です。ご家族などもいっしょに描く際はご相談ください。

リピーター割引 10%OFF

※過去に遺ラスト、ウェルカム坊主のサービスをご利用いただいた方

プリント+フレーム+送料

【通常】A3サイズ 4,000円(税込)
【小さめ】A4サイズ 3,000円(税込)

※データのみをご希望の方はこちらの料金は不要です。


過去の作品とお客様の声

【故人/ライトタッチ A4サイズ】
 姉(故人のお母様)に遺ラストを渡すことができました。甥が好きだったたくさんのものに囲まれた様子を喜んでいました。姉に見せるかも迷った時期もありましたが、プレゼントできてよかったです。 (→詳細

【ご健在/ライトタッチ A4サイズ】
 明るくて母らしくて気軽に飾れそうでいいな、と思いました。これを見ると制作期間中の楽しさを思い出せそうです。 (→詳細

【ご健在/スタンダード A3サイズ】
(まわりの反応は?)「らしいねぇ〜〜〜」と笑顔になりました。両親は「これは寂しくない遺影だね」と言っていました。 (→詳細

【故人/スタンダード A3サイズ】
 手に取って見て、お袋が微笑んだ時の表情と本当に同じだと感動しました。単なる似顔絵ではなく、私たちの記憶の中で生き続ける故人をそのままに、画像と少しのエピソードからこのように描いて頂いて本当に感謝しています。 (→詳細

【故人/スタンダード A3サイズ】
 色鮮やかな、生前のいいところを詰め込んだ完成した遺ラストを見て、泣きました。嬉しいとか悲しいとかではなく、ただただ「おかえりなさい、また会えたね。」そう感じました。 (→詳細

【ペットも描きます】

(震災で写真を失い)ふわとしたことしか言えなかったのに、家出しちゃう感じの野生猫な感じとかでもモンローウォークな感じとか、もう、めちゃめちゃ素敵です! (→詳細


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